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どこかの大学職員のブログ

『教職課程認定申請の手引き』の変更点(令和6年度開設用→令和7年度開設用)

 

 

すごく久しぶりの更新になってしまいました。

 

今年度も手引きの変更点をチェックしました。

昨年12月19日にメールにて配付された暫定版手引きにてチェックしていますので、今後配付予定の確定版とは変更点が異なる可能性があります。また、変更点のすべてを網羅するものではありませんのでご了承ください。

なお、チェック対象は<本体>のみで<別冊>は対象外です。冒頭の数字は手引きのページ数です。

 

Ⅰ.はじめに

  • 3 「●届出が必要な場合」から「・教職専任教員の氏名の姓を変更する場合」が削除。
  • 4 変更届⑦及び変更届⑧による届出時期が2期に増加(令和7年度開設から)。
  • 6 例示されている審査基準に「特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例に関する審査の観点」が追加。
  • 7 認定手続きが終了した後に公開されることとなった書類の公開URLが追記。

 

Ⅱ.課程認定の申請要領及び提出書類の様式・記入要領

  • 10-11 申請様式に以下の4種が新たに追加(12の一覧表にも反映)。
  • 様式第10号ア 特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例に関する資料
  • 様式第10号イ 各段階における到達目標・具体的な履修カリキュラム
  • 様式第11号ア 専科指導優先実施教科に対応した小学校教員養成に係る特例に関する資料
  • 様式第11号イ 各段階における到達目標・具体的な履修カリキュラム
  • 14 様式第3号の記載時点が新たに追加。
  • 15 大学院の専修免許状に関する申請の場合には、事前相談は任意とすることが明記。
  • 16 事前相談資料として送付が必要な資料に「シラバス(教育の基礎的理解に関する科目等、各教科・領域の指導法、特別支援教育に関する科目)」が追加。(該当する場合には様式第10号アまたは様式第11号アも必要)
  • 16 対応できない質問の例として「様式第10号等の内容はこれで問題ないか」が追加。
  • 27 様式第2号の「●単位数」欄の記入例が新様式に対応したものに修正(他校種のページ
  • も同様)。
  • 28 「●単位数」欄の入力上の注意が追記。
  • 61 シラバスの別フォーマットを使用する場合もフォントサイズを5~12ptで統一するよう注意書きが追加。
  • 98-102 様式第10号の記入要領、作成例が追加。
  • 103-105 様式第11号の記入要領、作成例が追加。
  • 106 学則・履修規程等の着色強調について、欄外に凡例を示すことが新たに追加(137も同様)。

 

Ⅲ.変更届等の提出要領及び提出書類の様式

  • 113 各変更届がどういったときに提出するものかの説明が追加(表)。

 

Ⅳ.審査基準等

  • 146- 「教職課程認定基準」について、令和5年9月28日一部改正の内容が反映[1]
  • 165-166 「教職課程認定基準に定める「共通開設科目」の開設可能範囲」(表)の掲載ページ繰り上げ。
  • 167- 「教職課程認定審査の確認事項」について、令和5年9月28日一部改正の内容が反映。
  • 174-175 「教職課程認定大学実地視察規程」について、令和5年9月28日一部改正の内容が反映。
  • 176 「学科等の目的・性格と免許状との相当関係に関する審査基準」について、令和5年9月28日一部改正の内容が反映。
  • 180 「特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例に関する審査の観点」(令和5年9月28日課程認定委員会決定)が新たに収録。
  • 181 「教育又は研究上の業績及び実績の考え方」について、令和5年9月28日一部改正の内容が反映。
  • 190- 「教職実践演習の実施に当たっての留意事項」について、令和5年9月28日一部改正の内容が反映。

 

以上です。今年は手続き上の大きな変更はほぼなさそうですね。

 

 

 

 

[1] 改正内容はこちらの通知を参照→「特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例等に係る教職課程認定基準等の改正等について」(令和5年9月28日付け事務連絡)

課程認定審査結果の整理と雑感―2021年度申請大学を対象として―

 

「教職課程認定審査運営内規」6に基づき、2021年度に教職課程認定申請を行った大学の申請書と課程認定委員会における審査意見が公表されました。

 

www.mext.go.jp

 

申請区分ごとに、申請数と審査結果(審査会指摘の有無)を整理しました。

2021年度教職課程認定申請大学の審査結果

 

延べ78大学が申請を行い、うち課程認定委員会指摘があった大学が36大学(46.2%)、指摘がなかった大学が37大学(47.4%)、審査過程で申請を取り下げた大学が5大学(6.4%)でした。なんと、指摘を受けた大学より指摘がなかった大学の方が多かったようです(!)。なんとなんと、大学院の課程の申請を行った15大学には、審査意見は一つもつきませんでした(!)。

課程認定審査は簡易化傾向にあるんでしょうか。

 

課程認定委員会から各大学に伝達された審査意見も公表されていますが、そのほとんどが「授業科目~のシラバスについて、~を扱っていることが判然としないため授業計画に明記すること」でした。

 

なお、課程認定委員会による審査の前に、文科省事務官による事務指摘が行われており申請内容が補正されていること、教員個人に関する指摘事項は公表データには含まれていないことは注意しておく必要があります。

 

教員養成に携わる研究者教員に学校現場研修を課している大学の例

 

養成段階における実践性担保の2つの方法

教員養成学部の必要教員数の2割以上を実務家教員とすることが話題です。養成段階において、「理論と実践の往還を重視した好循環」を制度的に保障することがねらいのようです。

出典:令和5年2月24日開催中央教育審議会大学分科会 資料4

 

この施策は実務家教員を必置とすることで実践性を担保しようとするものですが、国立教員養成系大学では別の発想(=研究者教員に実務経験を積ませる)で養成段階における「理論と実践の往還の重視」を実現しようとする取組が行われています。例えば以下の2大学です。

 

 

研究者教員に学校現場研修を課している例

上越教育大学

学校現場で指導経験のない新任大学教員に対し、①学校現場の現状への理解を深めるとともに、②教員養成に関わっているという意識を高めることを目的に、附属学校等での100時間にわたる実務的な研修を実施しています。

学校訪問や見学に留まらず、授業のための教材作成や指導案検討、授業実践が含まれています。

出典:文部科学省「国立教員養成大学・学部,大学院,附属学校の改革に関する取組状況について~グッドプラクティスの共有と発信に向けた事例集~」

 

福岡教育大学

学校現場で指導経験のない大学教員に対し、教員養成分野の大学教員としての必要な資質・能力の向上を図るため、学校現場において約180日間の研修を義務付けています。ほかにも、全教員に対し3年ごとに3日間以上学校現場に出向いて研修を受講させる取組みも実施しています。

出典:同上

 

中期目標・中期計画、年度計画などを拝見する限り、上記以外にも、宮城教育大学愛知教育大学でも同様の研修が実施されているようです。

 

 

学校現場での実務経験を有する大学教員の参画は教員養成教育の高度化を果たしうるか?

研修時間や日数を見る限り、かなり負担の大きい研修だろうなあと想像します。教員養成単科大学と一般大学の教員養成学部とでは単純に比較衡量はできませんが、2割以上必置を打ち出す前に上記取組の効果検証があってもよかったのかなと思います。