本日午後(2021年4月27日)に開催される「中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第1回)・初等中等教育分科会教員養成部会(第122回)合同会議」において、「教職課程における連携開設制度・学部等連携課程の共通開設等について」が議題として取り上げられています。
議題からは分かりづらいですが、資料通番13において課程認定基準の改正案が示されており、連携開設制度を利用していない通常の学科等においても関係する内容が含まれています。
改正事項
高等学校(情報)の「教科に関する専門的事項」に開設する科目の一部と中学校・高等学校(数学)又は中学校(技術)の「教科に関する専門的事項」に開設する科目の一部が共通開設できるようになるようです。
具体的には、中学校・高等学校(数学)の事項「コンピュータ」と中学校(技術)の事項「情報とコンピュータ(実習を含む。)」に開設する科目を高等学校(情報)と共通化することを検討しているのだと思われます(たぶん)。
共通開設可とする背景
詳細は午後の合同会議にて説明があるかと思いますが、
- デジタル社会の基礎知識(数理・データサイエンス・AI 等)の習得が広く求められており、
- とりわけ教師には、情報社会を生きる子どもたちを育てるためのICT活用指導力が求められており、
- あわせて、高校(情報)の教員不足(免許外教科担任も)を解消したい
というねらいがあるのでしょう(たぶん)。
共通開設できる科目の内容
高等学校学習指導要領 情報編で扱う内容として示されている「情報システムのプログラミング」の一部は数学の教職課程で、「ネットワークシステム」「データベース」「コンテンツの制作と発信」等は技術の教職課程で扱っている内容ですので、このあたりになるでしょうか。
課程認定基準の改正
これらの取り扱いの変更に伴って、課程認定基準(基準4-8(1)ⅱ))の改正案が次のように示されています。
ⅱ)「教科に関する専門的事項」及び養護に関する科目は、以下に掲げる免許状の種類・免許教科の組み合わせの場合には、中学校教諭、高等学校教諭、養護教諭の教職課程に共通に開設することができる。
① 中学校(国語)・高等学校(国語)と高等学校(書道)
② 中学校(社会)と高等学校(地理歴史)
③ 中学校(社会)と高等学校(公民)
④ 中学校(社会)・高等学校(公民)と中学校(宗教)・高等学校(宗教)
⑤ 中学校(数学)・高等学校(数学)と高等学校(情報)
⑥ 中学校(美術)・高等学校(美術)と高等学校(工芸)
⑦ 中学校(保健体育)・高等学校(保健体育)と高等学校(看護)
⑧ 中学校(保健体育)・高等学校(保健体育)と養護教諭
⑨ 中学校(保健)・高等学校(保健)と高等学校(看護)
⑩ 中学校(保健)・高等学校(保健)と養護教諭
⑪ 中学校(保健体育)・高等学校(保健体育)と中学校(保健)・高等学校(保健)
⑫ 中学校(技術)と高等学校(情報)
⑬ 中学校(技術)と高等学校(工業)
⑭ 高等学校(看護)と養護教諭
(下線が改正箇所)
共通開設可とする時期
上記の基準の一部改正については、2022(令和4)年度からの教職課程の認定を受けようとする申請校への適用を検討しているようです。
したがって、すでに認定を受けている学科等で改正基準を適用したい場合には、今年度(2021年度)中に変更届を提出すればよさそうです。
その他
そのほかにも、教職課程実務に関しては、いわゆる「団地基準」の改正、「学力に関する証明書」等への押印が不要になること等についても報告がなされる予定になっています。
共通開設については、教員養成系、理工系、情報系の学科で中学校・高等学校(数学)、中学校(技術)及び高等学校(情報)の認定を受けている場合には、科目を共通化することで学生の履修単位数の低減、ひいては単位の実質化につながるので検討してもよいかもしれません。
(いずれも不確定情報ですので、詳細は午後の合同会議を傍聴してください!)